2026/5/25
【アーティスト紹介】泣けるのに踊れる。エモ・ラップの遺伝子を進化させるラッパー「Kee Nola」
令和のエモラップ伝道者!Kee Nolaを紹介
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こんばんは!
cherrytanです!
アーティスト紹介もついに3回目となりました!
前回は日本のSiX FXXT UNDXRさんを紹介しましたが、今回は再び海を渡りまして、
アメリカのアーティストを取り上げたいと思います。
とりあえず日本と海外を交互に紹介していって万遍無くアーティストの良さを伝えていければ幸いです。
今回も「マジでみんなにおススメしたい!」と思っているアーティストなので、
ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです!
ニューオーリンズが生んだエモラップの新世代「Kee Nola」
今回紹介するのはアメリカ・ルイジアナ州ニューオーリンズ出身のラッパー
「Kee Nola(キー・ノラ)」
です。
アーティスト名の「Nola」は地元ニューオーリンズの略称(NOLA)に由来していて、
彼が育った7th Wardという地区への愛着が感じられますね。
https://www.youtube.com/@Kee_Nola
彼の音楽を一言で表すなら、ギターのアルペジオとトラップビートが溶け合った"エモラップ"。
メンタルヘルスや孤独、失恋の痛みといった感情を、飾らずにそのまま曝け出すリリックが最大の魅力です。
さて、僕が彼を知ったきっかけなんですが、ちょくちょくチェックしている「On The Radar Radio」を見ていたとき
なんとNirvanaの「Smells Like Teen Spirit」を彼がカバーしている動画にたまたま行き当たったんです。
「このチャンネル、ラッパー以外も出るんだー」なんてその時は思っていたのですが、
他の曲を聴いてみたところ、めちゃめちゃあるラッパーに影響を受けていることが分かり
そこから彼のことを調べ始め、気づけばすっかりハマっていたという感じです笑。
アメフト選手志望からラッパーへ
Kee Nolaの経歴は、なかなかドラマチックです。
彼はもともとプロのアメフト選手(NFL)を目指していて、大学でも実際にプレーしていたそうです。
しかし大学は中退。さらに20歳の頃、アルバイト先のウォルマートをクビになってしまいます。
この出来事をきっかけに、彼は本格的に音楽の道へと進む覚悟を決めました。
順風満帆な経歴ではないからこそ、彼のリリックに滲む生々しさや切実さに説得力があるのかなと、
個人的には思っています。
そんな彼の名前を一気に広めたのが、代表曲の「Party Girl」です。
この曲はTikTokを中心に世界的なバイラルヒットを記録し、彼の知名度を一気に押し上げました。
彼の経歴についてはNOLAZINEのインタビュー動画で詳しく語られているので、
気になる方はぜひチェックしてみてください!
「Juice WRLDのクローン」と呼ばれた男
さて、何曲か彼の曲を聴いた人なら絶対に頭をよぎると思うのですが、
Kee Nolaを語る上で絶対に外せないのが、Juice WRLDの存在です。
Kee Nolaは高校時代、恋愛や人間関係に悩んでいた時期に最も聴き狂い、
救われたアーティストとしてJuice WRLDの名前を公言しています。
(こちらのインタビュー映像でも本人が語っています)
実は僕もJuice WRLDが大好きで、彼が2019年に亡くなった時は本当にショックだったのを覚えています。
なので、彼の曲を初めて聴いたときJuice WRLDのバイブスを継承している令和のラッパーはこの人だ!と勝手に嬉しくなっていました。
そして驚くのが、その影響の受け方です。
悲哀を帯びたメロディライン、声質、フロウ。これらがJuice WRLDにあまりにも似ているため、
彼がシーンに登場した当初は「AIで作られたJuice WRLDの未発表曲なのではないか」という噂や、
クローン批判まで飛び交うほどの衝撃を与えました。
それくらい、Kee NolaのボーカルはJuice WRLDの遺伝子をストレートに受け継いでいます。
ギターのアルペジオとトラップビートの融合、そして心の弱さを隠さないリリックの世界観も、
まさにエモラップの正統な後継者と言える存在ですね。
JerkやPluggを呑み込む現代的なセンス
Kee Nolaが「ただの焼き直し」に終わらない最大の理由。
それは、Juice WRLD急逝(2019年)以降に台頭した最新のアンダーグラウンドのトレンドを、
エモラップに高いレベルで取り込んでいる点にあります。
例えばJerk。
Trapのサブジャンルで、変則的で跳ねるような高速BPMのビートなのですが、
普通ならハードなラップが乗るところに、Kee Nolaはあえて自身の持ち味であるエモなメロディを乗せてきます。
これによって"泣けるのに、アッパーに踊れる"という新感覚な聴き心地が生まれているんですね。
さらにPlugg / PluggnBへのアプローチも見逃せません。
浮遊感のある音飾や高速のハイハットが特徴のこの次世代ジャンルの要素を導入することで、
エモラップにありがちな重苦しさが程よく中和され、
現代の若者の耳に馴染むコズミックな音響デザインへと進化しています。
個人的にはJuice WRLDのダークな世界観も好きですが、よりモダナイズされていてオリジナリティを感じますね。
ちなみに僕の一番好きなKee Nolaの曲は「Problematic」です。
ちょっとだけ歌詞の和訳を載せますが、
曲が売れてリッチになっていく一方で恋愛とドラッグに依存して自暴自棄になっていくという
ダークなリリックをPluggチックなビートの上で歌っています。 2010年代後半のエモさと2020年代のシンセが効いたサウンドが混じり合い、彼のオリジナリティを存分に発揮した曲です!
Know my clothes could pay your rent, ho (Goddamn)
俺の着てる服だけでお前の家賃が払えるって分かってんだろ、ビッチ
Bitch, she did me dirty, but she won't let me go home (Ho, let me go)
あのアマ、俺を酷い目に遭わせやがったくせに、家に帰してくれやしない(放してくれ)
Opioid love, Hydrocodone ('Codone)
オピオイドみたいな(中毒的な)愛、ハイドロコドン(※強力な麻薬性鎮痛薬)
I can't get enough of the love, I'm so stoned (So stoned)
あの愛が頭から離れない、俺は完全にキマっちまってる
I'ma swerve the whip off the drugs, baby, hold on
薬のせいで車を蛇行させちまう、しっかり捕まってな
こうしたサウンドに辿り着いた背景には、彼の地道な努力があります。
資金がなくメジャーの既成ビートを買えなかったため、YouTubeやSoundCloudで日々生まれる最先端の無料ビートを自分でディグり、
手探りで自分の歌声と合体させる中で、このハイブリッドなフォーマットを掴み取ったそうです。
Playboi Carti率いる「Opium」レーベル(Ken Carsonなど)のサウンドや、
Xaviersobasedらが牽引する次世代SoundCloudシーンをいち早く吸収しているあたりに、Kee Nolaのアンテナの鋭さを感じます。
最近ではJuice WRLDの楽曲も手がけたトッププロデューサーのMorgothらが彼の現代的なバイブスを絶賛し、
共に楽曲をアップデートしているとのこと。
過去への敬意と、最先端への貪欲さ。
その両方を併せ持っているのがKee Nolaというアーティストなんです。
待望の最新アルバム「Luv & Khaos」
そして嬉しいことに、つい数日前に最新アルバム
「Luv & Khaos」
がリリースされたばかりです!
タイトルからワクワクさせる全20曲入りのボリューム満点な一枚。
ここまで紹介してきたエモーショナルなボーカルと、JerkやPluggといった最新トレンドのビートが丸ごと詰まっているので、
Kee Nolaを初めて聴くという方にとっても最高の入り口になってくれるはずです!
先行曲の「DARKNESS」にはミュージックビデオも公開されているので、
まずはそのあたりから入ってみるのもおすすめですよ!
おわりに
今回はニューオーリンズ発のエモラッパー「Kee Nola」について紹介しました!
Juice WRLDの遺伝子を受け継ぎながらも、最新トレンドのビートを取り入れ、
"2020年代のエモラップ"を一人で更新し続けている。
そんな彼の音楽は、聴けばきっと新しい扉が開くはずです。
Juice WRLDやMGKなどのロックテイストのラップが好きな人はもちろん、NettspendやOsamasonなどの最新のHIPHOPが好きな人にも刺さると思うので、
ぜひこの機会に彼の楽曲を聴いてみてください!
今後も日本・海外問わず、いろいろなアーティストを紹介していきたいと思いますので、
ぜひチェックよろしくお願いいたします。
それでは今回も多くの人に読んでいただけることを祈りつつ、この辺で筆をおかせていただきます。
